体の機能は、年齢と共に低下してきます。
高齢者は様々な病気を持っていることが多いので、複数の薬を併用する機会が増え、相互作用が起こりやすくなります。
相互作用とは
2種類以上の薬を併用したとき、薬と薬が互いに影響を与え、薬の効き目が変化してしまう場合があります。これが相互作用と呼ばれるものです。服用する薬の種類が多ければ多いほど、相互作用は起こりやすくなります。
ひとつは加齢によって、肝臓が薬を分解する力、腎臓が薬を体外へ排出する力という身体機能が低下するためです。また高齢者は体内の水分量が少なくなって脂肪の量が多くなるため、薬が脂肪に溶け込む量が増えて体内に溜まりやすくなります。その結果薬が強く効き過ぎて、副作用が起こりやすくなります。
次に高齢者は複数の病気にかかっていることが多く、複数の薬を飲んでいることが多いのです。そのため、相互作用の起こる可能性が高まります。
最後に加齢による視力の低下や聴力の低下を原因とする、薬の見間違いや飲み方の聞き間違いによる誤飲が考えられます。
高齢者には以下に挙げるような体調の変化が起こりやすくなります。
これらの体調の変化が出たからといって、すぐ「歳をとったからだ」や「病気ではないか」と思ってはいませんか?
これらの症状は、服用する薬によって引き起こされることもあります。しかし全ての症状が薬のせいとは限りませんし、勝手に薬の服用を中止するのはやめましょう。
もしも薬を飲むようになって体調の変化を感じた場合は、ご自分で判断せず、医師や薬剤師に伝えて判断を仰ぐようにしてください。
介護保険制度が2000年4月にスタートしました。 この制度の中で薬剤師は、色々な介護サービスにかかわっています。
介護施設や在宅介護、在宅介護相談薬局などの現場でいずれも薬剤師としての専門知識を生かして、情報を提供しています。
病気に対する薬の管理(服薬指導、副作用の早期発見など)のみならず、副作用により日常生活や運動機能への影響はないかを見極め、見守る重要な役目を負っています。
愛媛県薬剤師会では、「介護保険まちかど相談所」を設置 し、地域の方々と密接し、高い情報提供や相談を行っています。
高齢社会の到来によって医療提供のあり方も変化し、その中でも医療の機能分化が進み、従来は入院せざるを得なかった患者さんが居宅で療養できるようになってきました。
最近では、在宅医療の進歩に寄与するような新薬の開発も行われており、在宅医療の可能性が大きく広がっています。在宅医療の進展に伴い、薬剤師が居宅を訪問して薬剤の管理や指導を行うことも重要な業務となり、薬物療法全般について臨床判断が求められるとともに、患者、家族や他の医療職とのコミュニケーションも不可欠になっています。
薬剤師は在宅医療を担う時代になり、愛媛県薬剤師会でも積極的に取り組んでいきます。